シューベルト/スターバト・マーテル ヘ短調
私はキリスト教の信者ではありませんが、ミサ曲などの宗教曲は音楽として良く聴きます。
今回、紹介する宗教曲は「スターバト・マーテル(悲しみの聖母)」です。「スターバト・マーテル」といえば、ペルコレージ、
ドヴォルザーク、プーランク、ロッシーニなどが作曲した「スターバト・マーテル」が有名ですが、この中ではドヴォルザークが好きです。なぜならアマチュアの合唱団で、この中からステージで何曲か歌った経験があるからかもしれません。
このドヴォルザークの「スターバト・マーテル」については、ケルテスとクーベリックなどのCDを持っていますが、機会を見て、そのうち紹介することにしましょう。
今回紹介するのは、シューベルト・・・・ ん?・・・
シューベルトの「スターバト・マーテル」というと、あまり馴染みがないかもしれません。しかし、シューベルトは多くのミサ曲などの宗教曲も作曲していて、「スターバト・マーテル」については「ト短調 D175」と、今回紹介する「ヘ短調 D383」の2曲を作曲しています。
「スターバト・マーテル」ですが、一般的にはラテン語で書かれていますが、このシューベルトのスターバト・マーテルはドイツ語訳を使用しています。このドイツ語訳は、原典に比べかなり自由なものになっているようです。
曲は12曲から構成されていて独唱、重唱が合唱の間に折りこめられ、オーケストラと色彩感のある曲を構成しています。
曲がはじまると荘厳で重々しさを感じる合唱でオーボエと、トロンボーンと弦楽となります。全曲を聴いてみるとオーケストラではオーボエ、ファゴット、トロンボーン、ホルン、フルートなど管楽器が効果的に使用されています。
全曲の解説は出来ませんが、全体としては「緊張感を持った厳しいながらも美しい曲」・・・とでも言ったら良いのでしょうか・・・短調の曲ですが、特に第3曲の「イエズスは慈愛にみちた御顔で」では長調の美しい流れるようなメロディーを聴かせてくれます。いかにもシューベルトらしい曲で、何かの曲に似た美しい旋律です。(何の曲か思い出せません)
第10曲では短調から長調に転調し、ソプラノ、テノール、バスによる重唱からテノールのソロとなりますがここでも美しい旋律を聴くことが出来ます。
第12曲の「アーメン」では長調でフーガの合唱で壮大に曲を締めくくります。
このシューベルトの「スターバト・マーテル」の私のライブラリーは、下記の2枚です。この中ではヘルベルト・ケーゲル指揮/ライプツィヒ放送交響楽団/合唱団のものが素晴らしい演奏です。このCDは同じシューベルトの「ミサ曲第2番ト長調」がカップリングされていますが、この演奏も見事です。この曲は合唱団でかなり昔ですが、全曲を定期演奏会のステージで歌った経験もあり、とても思いいれの多い曲になっています。
シューベルトのミサ曲については以前、「ドイツ・ミサ曲」の投稿時に簡単に述べていますが、機会を見てミサ曲全曲についても、そのうち投稿したいと思っています。
一方、ギュンター・ヴァントのCDは、1950年代のモノラル録音で、モーツアルトの「戴冠ミサ曲K317」とのカップリングになっています。私には、このヴァントの戴冠ミサの演奏はテンポが遅く戴冠式の曲としては、少し物足りなさが感じます。モーツアルトの「戴冠ミサ」にもついても多くの音源を持っていますし、好きな曲なので、これについても機会を見て今後、紹介したいと思っています。
ヘルベルト・ケーゲル指揮
ライピツィヒ放送交響楽団/合唱団 他
ギュンター・ヴァント指揮
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
ケルン放送合唱団 他
この他、「声楽・宗教曲・オペラ」の書庫の過去の投稿はこちらです。
下のタイトルをクリックすると記事につながります。
2曲のレクイエムと荘厳ミサ曲(ミサ・ソレムニス)
・・・・・・・ 若くして亡くなった名テノール歌手の名盤を紹介
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。![]()
