845シングル/整流管の挿し替え実験
(整流管のソケットのピン接続は、8番ピンから直流を取り出しているので、傍熱管の5AR4をそのまま差し替えることが出来ます)
5AR4(GZ34)は、新品も含め、何本か手許にありますが、今回は国産の松下製(ナショナル)の5AR4を使ってみました。
手元には、今では入手が困難なゴールデン・シリーズ(HiFi用)の5AR4があります。下の写真の右側の5AR4と比べると、ハカマは金属製となっていて、ガラス管にも HiFi という文字がプリントされています。以前には、同じ松下から金属ハカマの6CA7(EL34)も発売されていました。私は松下製の6CA7は何本か持っていますが、ゴールデン・シリーズは残念ながら持っていません。
さて、整流管を5R4から5AR4に挿し替えた時の845の動作を比較してみました。当然、効率の良い5AR4だと出力直流のB電圧も高くなり、それに伴いプレート電流(Ip)も増え、バイアス(-Eg)も深くなります。
■5R4使用の場合の845
Ep:421V
Ip:49mA
-Eg:-49V
Po:5.2W
■5AR4使用の場合の845
の動作
Ep:474V
Ip:56mA
-Eg:-56V
Po:6.0W
単純に整流管を5AR4に挿し替えただけで、アンプの出力も6Wと少し大きくなったせいか、音にも少し余裕が出た感じですが、私の駄目耳では正直、音の違いはわかりませんでした。
整流管は直熱管のほうが音が良いとか、同じ型番でもメーカーによって音が違う…ということを良く聴きますが、困ったことに私には音の違いがわかりません。
HiFi 用のゴールデン・シリーズと普通の5AR4との音の違いも私にはわかりませんでしたが、わかる人には多分、違いがわかるんでしょうね~~~
なお、今回は出力の測定等でオシロスコープによる波形の観測を行いました。写真は公開しませんが、シングル・アンプにしては、非常に素直できれいな波形に驚きました。1kHzの正弦波が非常にきれいにそろっていました。また方形波(矩形波)は、100Hzでは無帰還アンプのためか、低域での減衰が見られましたが、10kHz、20kHzでは素直な波形でした。(なお、波形観察は、インプット・トランス無しで観測しました)
波形の写真を投稿しても良いのですが、細かいところまで、突っ込んだコメントをいただくと返信コメントに困ってしまうので、波形の写真の公開はしないことにしていますのであしからず…
低電圧動作での845アンプは駄作だ!…と言われたアンプですが、どうしてどうして、私にとってはなかなかの自己満足のアンプです。今のところ、あえて1000V位の高電圧アンプを作る勇気はありません。
参考までに低電圧動作の845シングル・アンプの回路図は