クレメンス・クラウス(1893-1954)というとリヒャルト・シュトラウスの交響詩やオペラなどを得意とする指揮者でしたが、オーストリアの生粋のウィーン生まれと言うことからでしょうか、ヨハン・シュトラウスなどのウインナ・ワルツやポルカなども得意としていました。
毎年、行われるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による「ニュー・イヤー・コンサート」を1939年から始めたのは、クレメンス・クラウスでした。クラウスは1954年の亡くなる年まで、このウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で指揮をし、その後はコンサート・マスターのウィリー・ボスコフスキーが指揮をするようになりました。ボスコフスキーの後は、マゼール時代・・そして現在では毎年、指揮者が変わるコンサートになっています。
今ではコンサートが世界的に生中継されるほど、人気の高いコンサートになっています。
さて、今回のCDのタイトルをみると「ニュー・イヤー・コンサート」となっていますが、実際のライブ録音ではなく、すべてスタジオ録音によるものです。(ライブ録音も多少残されているようですが・・・)そのためか演奏会場の雰囲気は全く感じませんが、緻密で独特のリズム、そして高揚感のある演奏を聴くことが出来ます。この録音の中で私のお気に入りは、「春の声」、「とんぼ」、「クラップフェンの森で」、「小さな水車」、「憂いもなく」、「鍛冶屋」、「おしゃべりなかわいい口」あたりでしょうか・・・60年以上も前のモノラル録音ですが、聴きやすい音です。
曲目は末尾のとおりですが、全16曲中、10曲が私の好きなヨゼフ・シュトラウスの曲なので、嬉しくなってしまいます。
※2017/12/04 19:00 追加投稿
クレメンス・クラウスの、この録音のLPを持っています。
1枚1000円の廉価盤でした。写真を追加します。
曲目は購入先のタワーレコードの通販サイトからコピーしました。
『クレメンス・クラウス~ニューイヤー・コンサート 1951-1954』
【曲目】
《CD 1》
ヨハン・シュトラウス2世:
1) こうもり―序曲
2) ジプシー男爵―序曲
3) 芸術家の生活Op.316
4) 春の声Op.410
ヨーゼフ・シュトラウス:
5) わが人生は夢と喜びOp.263
6) とんぼOp.204
7) 騎手Op.278
ヨハン・シュトラウス2世:
8) クラップフェンの森でOp.336
9) ハンガリー万歳Op.332
10) ウィーンの森の物語Op.325
11) ヨハン・シュトラウス2世&ヨーゼフ・シュトラウス:ピツィカート・ポルカ
ヨハン・シュトラウス2世:
12) エジプト行進曲Op.335
13) 観光列車Op.281
《CD 2》
ヨーゼフ・シュトラウス:
1) オーストリアの村つばめOp.164
2) 小さな水車Op.57
3) 憂いもなくOp.271
ヨハン・シュトラウス2世:
4) 町と田舎Op.322
5) 狩りOp.373
6) 朝の新聞Op.279
7) ヨーゼフ・シュトラウス:鍛冶屋Op.269
ヨハン・シュトラウス2世:
8) 騎士パスマンOp.441―チャルダーシュ
9) 常動曲Op.257
10) 美しく青きドナウOp.314
11) ヨーゼフ・シュトラウス:休暇旅行でOp.133
12) ヨハン・シュトラウス2世:わが家でOp.361
13) ヨーゼフ・シュトラウス:天体の音楽Op.235
14) ヨハン・シュトラウス2世:アンネン・ポルカOp.117
15) ヨーゼフ・シュトラウス:おしゃべりなかわいい口Op.245
16) ヨハン・シュトラウス1世:ラデツキー行進曲Op.228
世界初CD化
(クレメンス・クラウス~ニューイヤー・コンサート選集1951年-1954年)
【演奏】
クレメンス・クラウス(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
【録音】
1950年6月22日(CD 1: 3-4)9月16日(CD1: 1)、1951年4月(CD 1: 2)、
9月(CD 1:5-13)、1952年5月22日(CD 2: 1, 2, 6)、9月(CD2: 3-5, 7-9)、
1953年12月18‐19日(CD 2: 10-16)
ウィーン、ウィーン楽友協会大ホール
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