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Channel: 真空管アンプの自作と、クラシック音楽&家庭菜園&鉄道写真などなど
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フォノ・イコライザー付プリアンプの製作②

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  12AU7/5814A/5963 プリ・アンプの製作②
      ----- YAMAHA/HA-5 フォノ・イコライザー付き -----

  前回紹介したプリ・アンプが最終的に完成しましたので、投稿
 します。非常にシンプルなアンプに仕上げました。

イメージ 1


 回路については、前回紹介のとおり12AU7のライン・アンプに既製のYAMAHAのフォノ・イコライザー/HA-5を組み込んだものです。真空管は12AU7(ECC82)の他、類似管の5814A5963が、そのまま挿し替え出来ます。今回は新品で軍用のJAN-5963を使用しました。

末尾に回路図を示します。
電源部ですが、B電圧がかなり高いため平滑回路ではデカップリング抵抗を3段とし、電圧を下げています。ここでのケミコン容量は合計300μF・・・このくらいあれば十分でしょう。
ヒーター回路ですが、電源トランスのST-30Sはプリ・アンプ用に作られたトランスで、ヒーター巻き線は、6X4などの整流管用の6.3V/1Aと0V-15V-17Vのブリッジ整流用で12AX7など12.6V管用のタップがあります。
今回は真空管の本数もわずか2本ということもあり、6.3Vの巻き線から整流しました。当初は整流後に電圧調整用として0.5Ωの抵抗を入れてみたところ6.4Vと0.1Vオーバーしました。この程度なら問題はありませんが、ここは0.3Ω5Wのセメント抵抗が手元にあったので2本使用して0.6Ωとし、電圧を6.2Vとしました。ここでの平滑用のケミコンは壊す前の25V10000μFをそのまま再利用しました。

---- ヒーター・バイアスについて ----
 前回、追加投稿した通り、当初の回路ではヒーターの片側をアースしていましたが、ヒーター・バイアスをかけることにしました。使用する真空管が12AU7の場合には、ヒーター/カソード間の耐圧規格が200Vなので問題はないのですが、終段のカソードに約125Vの電圧がかかります。
今回のアンプは5963も挿し替えできるのですが、類似管でも5963のヒーター/カソード間の耐圧規格は90Vであることが分かったので、この回路だと規格オーバーとなるため、ヒーター・バイアスとして65Vの電圧をヒーター片側にかけました。
 65Vの電圧はブリーダー抵抗を兼ねた75KΩと、27KΩでB電圧を分圧して得ています。
 出力段のカソードにかかる125Vの電圧ですが、このヒーター・バイアスにより、ヒーター/カソード間の電圧は125V-65V=60Vとなるため、ヒーター/カソード間の耐圧規格が90Vである5963でも安全に挿し替えができるようになります。
もちろん、この方法でヒーター・バイアスをかけた場合には、ヒーター線をアースしてはいけません。
真空管の規格表によっては、このヒーター/カソード間の耐電圧規格(ehk)が表記されていない場合が多いので、特にSRPP回路やカソード出力の場合には、カソードの電圧が高くなるので設計上、注意が必要です。

 ライン・アンプ部の回路については特に詳細な説明はしませんが、単段の電圧増幅でカソード・ホロワー出力のシンプルな回路です。使用した抵抗は、ありあわせのものを使用しました。電圧増幅部のカソード抵抗にパラにつけるケミコンは入力感度が高くなり過ぎるため外しました。
 入力のボリュームも高級なものではなく普通のもの。100KΩくらいが適当?かもしれませんが、ここは手持ちの関係で50KΩとしました。半導体のEQ、CDやチューナーの出力インピーダンスを考えれば50KΩくらいでも問題はないでしょう。

  回路図
イメージ 2

このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。

前回のこのプリ・アンプの製作投稿記事はこちらです。

では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。





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