10時50分から会長の挨拶から始まり、午前中に4台、午後5台の自作アンプが紹介されました。
----- 今回の使用機器 -----
■スピーカー:アルテック 604C
■プリアンプ:会員による真空管式自作品
■CDプレーヤー:DENON 1650SE
今回出品された9台の真空管アンプを簡単に紹介します。音の評価(感想)についてですが、駄目耳の私HIROちゃんには詳しくは書けません。ここでは個人的に感じたことをチョットだけ書くことにしますが、駄目耳ですので、かなり適当です。ご勘弁を…。ここではアンプの写真と、構成(回路)的なことを中心に紹介することにします。
■WE91B型 300Bシングル・アンプ (K・Mさんのアンプ)
WEの300Bシングル・アンプというと、ドライブ管(初段管)はWE310Aが多く使用されますが、ここでは国産の6SJ7-GTを使用しています。ジャック・ルーシェでクラシックを編曲したジャズ等を聴きました。いつも私がK・Mさんのご自宅で聴かせていただく艶やかな300Bの音とは、少し異なっていましたが豊かな音を聴かせてくれました。(スピーカーや、プリアンプとの相性、会場の関係もあるのかもしれません…)
■2A3ロフチン・ホワイト・アンプ(K・Kさんのアンプ)
2A3と言えばシングル…シングルといえば2A3と言われるほど有名な出力管…このアンプではRCA2A3を使用しています。
初段管は三極管ではなく五極管の6SJ7(RCA)、またツェナー・ダイオードによる6SJ7のスクリーン・グリッドの電圧安定化を図っています。出力トランスは、アイ・エス・オー。
カップリング・コンデンサーがない直結回路のため、素直な伸びやかな音で聴くことが出来ました。
■VT-62シングル・アンプ (H・Wさんのアンプ)
製作者のH・Wさんは、御年87歳、最高齢の大ベテランさん!…、昨年に続く出品…アンプ作りの意欲と情熱には脱帽です・・・
VT-62(801A)はトリウム・タングステンの光輝くフィラメントが特徴の送信管、普通は500V~600V位の高電圧で動作させるのですが、製作時の安全性や大きな出力を望まないとの理由でプレート電圧は300V、出力トランスも小型の3W用、6SN7-GTドライブによるトランス結合で出力1W弱です。送信管らしい艶のある高音が特徴と言えるでしょう。次回の研究会での出品にも意欲満々…元気がもらえるアンプでした。
■RCA811Aシングル・アンプ(M・Yさんのアンプ)
こちらもトリウム・タングステンの光輝くフィラメントが特徴の送信管。初段は6AU6A(Hi-S管)によるドライブで、6L6GC(3結)によるカソード・チョーク方式。固定バイアスによるプラスドライブで全段直結となっています。最大出力は14.5Wのハイブリッド・アンプです。
クラシック音楽等を繊細かつ迫力のある音で聴くことが出来ました。
■EL34(3結)プッシュプル・アンプ(M・Iさんのアンプ)
退職を機会に真空管アンプ作りをはじめ、3作目でEL34に挑戦、今回が初めての出品。初段管は6922のSRPPドライブ、次段は直結とし、12AU7による位相反転、ここではFETによる定電流回路を採用しています。
出力トランスはハシモト製(HW-25-5)試聴では当初、PCからダウンロードした音源から再生しましたが、なぜかパットせず、音も詰まった感じで冴えない…CD音源による再生に変更…うん!今度はいい!…音の取り込みが正しくなかったのだろうか、と思うほど音が良くなったのには会場に来られた方も納得。かなりイイ!
■45シングル・アンプ(私HIROちゃんのアンプ)
このブログで何度も紹介しているので詳細な説明はしませんが、今回使用した真空管は初段は77(ケンラッド)、45はフィルコの刻印、整流管はマツダ(東芝)の80…出力トランスはタムラF-475。
出力が約1.5Wと小さいため少しボリュームを上げすぎ…少し音がサチってしまい再生失敗!・・・それでもジャズ・ボーカルとクラシックを無事音出し終了、自分のアンプなので褒められないが、45の良さには評価はまずまずだったようです。
■HY65シングル・アンプ(S・Hさんのアンプ)
HY65はトリウム・タングステンの光輝くフィラメントの送信管です。回路はMJ誌からのコピーのようです。
初段は6SL7(1/2)、次段6BX7へ直結とし、カソードからHY65へ直結。HY65は第1グリッドと、第2グリッドをつないだ3極管結合としています。出力は3.5W。いつものようにS・Hさん定番の水森かおりさんの歌謡曲を今回は自作のスピーカーBOX(フォステクス使用)で聴かせてくれました。
■金田式DCコンバーター&40KG6A AB1プッシュプル・アンプ
(S・Hさんのアンプ)
トランスレス球の40KG6Aを使った金田式 OTL DCアンプです。
トランスレス球とOTLのため、電源トランスや出力トランスは一つも使用していません。カップリング・コンデンサー無しの全段直結のハイブリッド。真空管ソケットを使用せず、直接ハンダ付けをしていて、プレートキャップも使用せずに、ここも直接ハンダ…
という拘りのアンプです。
再生した音ですが、まったく真空管の音を感じさせない非常にストレートな音です。周波数特性はDC~100kHz(±0)歪率0.029%がそれを物語っています。
DCアンプ・・・う~~ん・・・私HIROちゃんには球の音がしないアンプは良く分からない。ストレートなジャズのドラム音には会場に来られた方も興味津々…試聴会終了後にもアンプについての質問に多くの方が殺到していました。
■RE604シングル・アンプ(T・Kさんのアンプ)
T・Kさんは毎回、シンプルな回路でありながら素晴らしい音のアンプを出品するベテランさんです。
RE604は、ドイツのテレフンケン社の直熱管で、特性的には米国系真空管の45に近い出力管です。
初段は5極管のEF86によるCR結合。出力トランスは出力管に合わせてシーメンス社の古いラジオ用?の小型トランスです。NFBを約5dBほどかけています。コンパクトにまとめた出力も1.5Wと小さいのですが、出てくる音は見事!臨場感豊かな音には参ったの一言・・・
ジャズボーカルと、美空ひばりの細やかな感情表現が読み取れる、素晴らしい音でした。
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と、言うことで第19回の試聴会も盛会のうちに無事終了・・・
しかし、独り言ではあるのですが、会場に来られた多くの方は、失礼ですが、ほとんどが高齢のジジイばかり…見た感じでは全て60歳以上・・・いや、70歳以上か・・?
真空管アンプを自作される方も今では、ほとんどがジジイ!
常陸管球の会の会員も私を含め高齢者ばかり、重い真空管アンプを運ぶのにも危なっかしい足取りだ!
今年は秋に会員だけでの「研究会」があるが、来年の試聴会は開催できるのだろうか・・? またまた高齢化が進む・・・
それでも来年は記念すべき第20回の試聴会を迎えることになるが、会員一同、健康に留意し何とか開催にこぎつけたいと考えているのは私HIROちゃんだけではないと思う・・・
このまま真空管アンプはすたれてしまうのか・・?
たとえ残ったとしても真空管を詳しく知っている人は、もうだいぶ少なくなってきた。今後、真空管アンプを自作する人は減っても、増えることはないだろう・・・
ゲルマラジオ(鉱石ラジオ)の製作から始まった小学6年生のラジオ少年だったHIROちゃんも今年で68歳を迎えようとしている。会員としては少し若い方?だが・・真空管アンプの自作愛好者として、今後、どうしたらいいんだろうか・・?
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。
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