エリック・サティ/管弦楽曲集から/パラード
エリック・サティというと、ピアノ曲の「3つのジムノペディ」などが有名ですが、今回は彼の管弦楽集を紹介します。この管弦楽集ですが、1970年代に発売されていた日本コロンビアの「ヒストリカル・レコーディング・1000シリーズ」の廉価盤LPレコードです。(価格は1000円)モノラル録音の多かった、このシリーズですがステレオ録音で1958年のエヴェレスト原盤のものです。古い録音ですが、音に不満はありません。
今でも良くLPレコードは聴きますが、CDと比較すると、「臨場感」、あるいは「雰囲気感」といったものがLPでは、良く音として出てくるような気がします。時には、ゆっくりとターンテーブルにレコードをのせ、静かに針を落として聴く音楽もいいものです。
■三つの組み立てられた小品
■ソクラテスの死<ソクラテス>第3部
■馬の装具で
マニュエル・ロザンタール指揮
フランス国立放送管弦楽団
ソプラノ:ドニーズ・モンティル
※ジャケットの帯には「馬に乗った三つの小品」と書かれて
いますが、これは「三つの組み立てられた小品」のことな
のでしょうか・・?
今回、久しぶりにこのLPレコードで「パラード」を聴いてみました。
バレエ・リュス (ロシア・バレエ団) のために第一次大戦中の1917年に初演されたサティが作曲した全1幕のバレエ音楽で、管弦楽組曲です。
初演の指揮はエルネスト・アンセルメでしたが、当時の音楽的常識では考えられないとんでもない音楽と言うことで、聴衆のブーイングを招き、《春の祭典(1913年)》以来の大騒動になった・・と言うのは有名な話。
旅芸人の客寄せの大道芸を描いた奇抜でユーモラスなバレエのための音楽で、台本は、フランスの芸術家ジャン・コクトー(1889~1963)、舞台の美術・衣裳は、スペイン出身、フランスで制作活動をしたパブロ・ピカソ(1881~1973)という、最高の芸術家たちによって生み出されたものです。
ピカソがデザインした衣装も、人体の形を無視したような奇抜なデザインによる巨大ハリボテのマネージャーや、2人がかりで演じられる馬などであったようです。
「パラード」の出演者は、「中国の奇術師」「アメリカ人天才少女」「アクロバット師」「フランス人マネージャ」「アメリカ人マネージャ」「馬」で、見世物小屋を舞台に、出演者たちがテント前で客寄せのために芸を披露し、客を呼び込むというものです。
この曲では、管弦楽編成に大太鼓、小太鼓、タンブリン、シンバル・シロフォン、トライアングルなどの打楽器の他に、非楽器の「サイレン」「タイプライター」「連発ピストル」「福引用回転台」「ラジオの雑音?」「発電機?」「飛行機の爆音?」など、現実音が音楽に用いられているのが特徴ですが、不思議と聴いていて違和感はあまりありません。
参考となる動画をYou tubeで3つ見つけました。
聴いてみてください。
「パラード」について
「パラード」コンサートでの全曲
こちらは、今回のLPと同じ音源の演奏です。
(全曲約16分)
この「管弦楽」の書庫内に下記の投稿記事があります。
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■クレメンティ/交響曲他、管弦楽作分全集
■武満徹 作品集
■シベリウス/フィンランディア
■R/シュトラウス管弦楽曲集/ルドルフ・ケンペ
■ストラヴィンスキー 「春の祭典」の名盤(名演奏)
■ルロイ・アンダーソンの音楽
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時にはLPレコードで、ゆっくりと音楽を・・
以前にも紹介しましたが・・・我家のレコードプレーヤーと、
真空管式のイコライザー・アンプやプリ・アンプです。もちろん
全てオリジナル回路によるオール自作品です。LPレコードは、
まだまだ手放せません・・・
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。![]()
