ウェルシュ菌による食中毒が発生!予防方法は?
------ 福島県のホテル内のレストランで110名が食中毒 -----
食中毒と一口に言っても、細菌性や、ウイルスによるもの、化学物質や自然毒によるものなど、いろいろあります。
特に細菌性食中毒は原因となる細菌の種類はたくさんあり、潜伏期間(喫食してから発症するまでの期間)、症状、分布場所、主な原因となる食品、細菌の特徴(性質)もそれぞれ異なります。耐熱性の芽胞を形成して加熱しても死滅しない細菌や、低温の冷蔵庫の中でも増殖する細菌、空気の好きな菌、嫌いな菌、少し嫌いな菌、どちらでもよい菌・・・非常に少ない細菌数でも発症する菌などなど、食中毒細菌の種類によって異なります。
さて、今回、原因となった「ウェルシュ菌」とは、どのような特徴の食中毒細菌なのでしょうか?・・・そして、その予防はどうすれば良いのでしょうか・・?
実はウェルシュ菌食中毒は、主に加熱した食品から起こる食中毒なのです。これらの食中毒細菌は「芽胞」と呼ばれる、耐熱性の種のようなものを形成します。この芽胞は100℃4時間の加熱でも死滅しません。主に土などにいる細菌です。汚染があった場合、加熱後に耐熱性の芽胞が残り、発芽し増殖するのです。
また、偏性嫌気性菌といって、空気(酸素)を嫌う細菌のため、大量に調理したカレーやシチュー、スープなどは空気に触れる部分が少なく、また食品中の溶存酸素が加熱により少なくなるために、酸素の少ない状態で芽胞が爆発的に増殖するのです。そして、食品と共に経口摂取されたウェルシュ菌が腸内で増殖、芽胞を形成する際に毒素(エンテロトキシン)が出来て中毒をおこすのです。ウェルシュ菌食中毒は大量に煮込んだ調理品などを長時間、室温などに放置した場合に多く発生する食中毒です。
潜伏期間は約6時間から22時間くらい(平均11時間くらい)で、症状は腹部の膨満感、腹痛、下痢などです。
このようにウェルシュ菌食中毒は集団給食や、レストランなどでの大量調理による発生が多いのですが、家庭でも大量に調理した「カレーライス」や、「シチュー」「スープ」「煮込み料理」などでも発生します。特に前日に調理したまま室内に放置したり、カレーは宵越しのカレーが美味しいので、一晩、経ってから食べる。あるいはたくさん残ったカレーを長時間、放置したものを食べる。これらは危険があるのです。
■ウェルシュ菌食中毒の主な予防方法
く早く食べる。
■調理後、食べるまで時間がかかる場合には、
すみやかに放冷し、冷蔵庫に保存する。
(10℃以下では増殖はしません)
■土壌からの汚染が多いので、調理場に「土」を
持ち込まない。(床はきれいに‥‥)
■家庭ではカレーや煮込み料理が残った場合には、電子レンジ
で再加熱してから冷蔵保存すると良い。(電子レンジは殺菌
力が強い)
■もちろん、手洗いや調理器具類の清潔な取り扱いも大切。
-------------------------------------------------------------
これから気温も高くなってきます。食中毒には注意しましょう。
これまでの投稿した「食と安全・安心」に関する私の投稿記事です。タイトルの下のアドレスをクリックすれば記事につながります。
■腸管出血性大腸菌O157について(オ‐イチゴ‐ナナ)
■乳幼児に蜂蜜や生卵はダメ&妊産婦の注意
■家庭での食中毒防止・・・ウソ?・・ホント?
■刻みのりで食中毒/ノロウイルスについて
■加工牛肉は要注意・・・O(オー)157食中毒の予防
■メンチカツによる食中毒と予防について
■リステリア菌混入による「冷凍野菜」の回収について
■ノロウイルスに注意しましょう
■食中毒防止について(クイズで学びましょう・・・)
■食品の異物混入事故について
■気まぐれ日記(食中毒の予防)
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。![]()
