刻みのりで食中毒/ノロウイルスについて
・ノロウイルスによる食中毒は、どんな食べ物でも発生します。
・乾燥している食べ物でも食中毒が発生します。
・加熱した食品でも発生します。
(ノロウイルスそのものは熱に弱いのですが、加熱後の取り
扱いや、盛り付け時などでノロウイルスを食品に少しでも付
けてしまうと感染します。非常に少ない数のウイルスで感染
するのです)
・アルコールでの消毒は効果がありません。十分に手を洗い、
物理的にウイルスを手から洗い流す事が重要です。
最近、東京都内の学校給食において発生した大規模食中毒の原因は「刻みのり」が原因と発表されました。また和歌山県の学校給食で発生した食中毒でも、同じ「刻みのり」が使われていたとの報道があり、原因はノロウイルスと報道されました。
食中毒には細菌性のものや、ウイルスなどによるものの他、フグや、毒キノコなどによる自然毒、化学物質などによるものがあります。では、ノロウイルスとは、いったいどのようなものなのでしょうか?
ノロウイルスは、細菌ではなくウイルスです。そのため他の細菌性食中毒とは異なる特徴がいくつかあります。ここでは簡単にノロウイルスの特徴を述べてみましょう。以前に同じ内容の投稿記事を何回か書いていますが、もう一度勉強してみましょう。
■ノロウイルスの基礎知識
(1)ノロウイルスによる食中毒(感染症)は一年を通して
発生しますが特に冬期に多く発生します。
(2)ノロウイルスは細菌ではありません。ウイルスです。
ノロウイルスは人間の腸管でのみ増殖します。
食品中では増殖しません。
細菌は自己増殖できますが、ウイルスは生物にとりつ
かないと増殖できません。
(3)ノロウイルスは非常に少ない数で感染します。
と言うことは感染力が強いのです。
だから感染症としても扱われるのです。ノロウイルス
食中毒は発生件数、患者数とも非常に多い食中毒です。
ノロウイルス食中毒とノロウイルスによる感染性胃腸炎
(感染症)は、同じと考えてください。
食べ物(食品)を介して発症した場合は食中毒ですが、
感染者のウイルスが大量に含まれる便や、吐物などから
直接もしくは、これらの飛沫物から二次的に感染した場
合は感染症扱いとなります。
(4) ノロウイルス食中毒 (感染症) の症状
ノロウイルスに感染した場合には一般的に潜伏期間は24
時間~48時間で嘔吐・下痢・腹痛・発熱などが主な症状で
す。通常は1~2日間で症状は消えますが、免疫力が低下
した老人や乳幼児では注意が必要です。
(嘔吐、下痢による脱水症状、嘔吐物による窒息などで
死亡する場合もあります)
但し、全ての症状が出るとは限りません。
嘔吐だけや、下痢だけとか、風邪のように熱だけという
場合もあります。特効薬はありません。(脱水症状にな
らないよう水分の補給が重要です。一度に補給すると吐
いてしまうので、すこしづつ補給します)
(5) 感染しても全く症状が出ない場合もあります。
(これを不顕性感染と言います) 不顕性感染、実はこれが
怖い !ノロウイルス食中毒は、この不顕性感染の人が症
状が無いため、自分では気がつかず、十分な手洗いなど
を行わずに調理作業などを行い、食中毒を起こしてしま
うことが非常に多いのです。
(6) ノロウイルスに感染すると、体内から排出されるまで、
かなりの日数がかかります。 (症状がなくても平均
2~3週間位と言われていますが、1ヶ月以上というこ
ともしばしばあります。)
(7) 一度かかっても何度も感染することがあります。
(同じ年でも何回でもかかることがあります)これは、
多数の遺伝子型があるため、同じ人が複数の違った型の
ウイルスに感染することがあるのです。
また、感染が腸粘膜での局所感染のため、免疫の持続時間
が短いのも特徴です。
(8) 消毒薬に対する抵抗性が強い。
ノロウイルスは、細菌ではなくウイルスです。そのため
細菌には抗生物質や消毒薬が効くのに対し、ウイルスに
は効かないのです。アルコールなどに対する抵抗性が強
いので、アルコールでの消毒はほとんど効果が無いのが
特徴です。
※塩素系消毒剤は効果があります。
(9) 乾燥や酸にもつよく、水中でも長時間生きている。
------------------------------------------------------------
これまで、学校給食で発生した食中毒の中では、このノロウイルスを原因とするものが多く発生しています。浜松市内の学校給食では、原因は「食パン」、また過去に北海道では学校給食で提供された揚げパンにまぶした「きな粉」が原因で食中毒が発生しています。また、「コッペパン」でも食中毒が発生しているのです。
これらの原因は全て、ノロウイルスに感染していて症状が見られない不顕性感染の作業者の手からの汚染によるものです。
■ノロウイルス食中毒(感染症)
の予防・対策
詳しい予防・対策、家庭での消毒液の作り方などについては、
過去に投稿した記事からご覧ください。
↓
これまでの「食と安全・安心」に関する投稿記事です。
■加工牛肉は要注意・・・O(オー)157食中毒の予防
■メンチカツによる食中毒と予防について
■リステリア菌混入による「冷凍野菜」の回収について
■ノロウイルスに注意しましょう
■食中毒防止について(クイズで学びましょう・・・)
■食品の異物混入事故について
■気まぐれ日記(食中毒の予防)
では、またね・・・HIROちゃんでした。![]()
