6080プッシュプル・アンプ再改造 ②
※2016/12/03 追加投稿
回路図のB電源平滑用ケミコンの耐圧表記等を修正しました。
今回の再改造は、前回の「6080ppアンプの再改造」で投稿したように、電源トランスのB電圧のタップを280Vとし、6080のプレート電圧を上げると共に、自己バイアスの抵抗を片ユニット1.5KΩを3KΩに変更し、出力管のバイアス電圧を130Vにしました。改造は簡単のようですが、シャーシ内も狭く意外と面倒です。
また、今回の改造では、6080のバイアスが130Vと非常に深いため、ドライバーの6FQ7/6CG7のプレート電圧も前回より上げると共に、PK分割後の6BX7-GTのプレート電圧も高くしました。
----- 回路について -----
アンプ全体の回路ですが、ウイリアムソン型となっています。
回路図を示せば特に説明はいらないのですが、ドライバーの初段と位相反転は6FQ7/6CG7です。ここは供給するB電圧を多少調整すればテレビ管の6BQ7Aや、6R-HH8、6R-HH2、6DJ8(7DJ8)に変更できます。これらの球はμ=増幅率が40位あるので6FQ7や6CG7よりは高い電圧を得ることが出来ますが、若干μは小さいもののプレートが大きく陽極損失も大きい6FQ7/6CG7を使用しました。
次段は当初、同じオクタルベースで同じピン接続の6SN7-GTにしようかと考えましたが、パワードライブとするため、テレビ用偏向管の6BX7-GTとしました。μは6SN7-GTと比べると6BX7-GTは10と小さいのですが内部抵抗が低く、強力にドライブが出来ると考え採用しました。6BX7-GTのプレート抵抗の定数が11KΩ(3W)となっていますが、6BX7-GTの内部抵抗は1.3KΩと低いので、ここのプレート抵抗は11KΩではなく、5~6KΩ位の方が良かったかもしれません。
出力段のバイアス電圧は前述のとおり130V(Eg:-130V)です。
NFB回路にON/OFFの切り替えスイッチを付けてみました。
今回の回路図を下記に示します。
このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
今回の改造による6080の動作は回路図の表のとおりです。
プレート電圧(380V-130V=Ep:250V)と高くなりましたが、バイアス抵抗を3KΩとしたために電流は少なくなり、6080単球片ユニットあたりの陽極損失(プレート損失)はPd=10.8Wと、軽い動作となりました。
ドライバー管のμが小さいため入力感度(ゲイン)は少し低くなっていますが使用に際しての不都合は特にありません。
真空管は全て東芝製ですが、何故か6080の大きさが多少異なり、右側の6080は少し背丈が低くなっています。
さて、肝心の音ですが、私の駄耳では音が良くなったのかどうかはあまりわかりません。改造前とあまり変わらないように感じますが・・・・
近いうちにKIYOさんや、アンプ作りの仲間に再度試聴していただき、出来れば諸特性等の測定をお願いしたいと思っています。
では、今日は、このへんで・・・・HIROちゃんでした。![]()
